パワハラ・理不尽なボス弁への対処法【心を守る】

弁護士の働き方

理不尽な上司とうまくやっていくにはどうしたらよいのでしょう。

  • 気分屋で言うことがコロコロ変わる
  • 怒鳴る・殴るなど怒り方が尋常ではない
  • 何が地雷か分からなくて萎縮してしまう

パワハラ気質な人はおおむね他責思考が強く、

若手弁護士
若手弁護士

自分が悪いのだ…

と思い込んでしまう責め方をするので、ターゲットは自信を失っていきます。

まずは自分の心を守り、落ち着いて考えられる状態を確保することが第一です。そうすれば、理不尽なプレッシャーを受けてもメンタル問題を生じるリスクが減ります。上司を変えることはできないとしても、嵐のような状況から心身を守ることができます。

この記事では、ボス弁の言動から心を守る対処法を紹介します。

私自身、理不尽な上司のもとで働いた経験があります。ここで紹介したやり方で静かさを取り戻し、弁護士としてさらに幸せな働き方を手に入れることができました。

心を守る対処法3つ

うわべだけのコミュニケーションを取る

まずは理不尽なボス弁とコミュニケーションをとる際は、できるだけ本心で対応しないこと。

具体的には、心の中に仮面の人格(ペルソナ)を作り、世渡り上手な他の人をイメージして「あの人ならどう対応するだろう」という対応を返すのです。

相手が理不尽な暴言・暴力を繰り出してきても、「またパワハラ人間がなにか言ってるな」と醒めた目でとらえます。一種、乖離に近い状態を自ら意識的に作り出すのです。

「貴重な意見をありがとうございます」

「勉強になりました」

などと、無難な言葉のストックを持っておきます。

応援してくれる味方を作る

1人でも理解してくれ、愚痴をはける人がいるとずいぶん気持ちが楽になります。

「ボスの言うとおり、自分はダメなやつだ…」

と頭をよぎったとき、1人でも自分を肯定し、おかしいのは相手の方だと言ってくれる人がいるだけで、自尊心の低下を防げます。

事務所内の姉弁兄弁、あるいは事務員の方はどうでしょうか?話をきいてくれそうなら、食事にでも誘ってみましょう。

事務所内に味方になってくれそうな方がいなければ、外部の方でも構いません。

修習同期、学部の友人…

あるいは、転職エージェントに話をしてみるのも手です。

彼らは様々な事務所の事情を知っていますから、今のあなたの環境がどれだけ異常なことなのか、一歩引いた視点から教えてくれるかもしれません。

また、他にどのような事務所に就職できるか具体的な選択肢を知ると、

若手弁護士
若手弁護士

あ、自分はこの人に縛られる必要はないんだ

と、心が楽になります。

ボスを観察して怒りのパターンを見つける

パワハラボスがイライラし始めるのはどのような状況か?を記録してみてください。

何らかのパターンがみつかれば、タイミングを見越して先手を打つことができます。

  • クライアントの打ち合わせを入れる
  • 外回りに出る

等で、顔を合わせない工夫をしましょう。

また、一定の環境要因によりボスの機嫌が悪くなっている場合には、上司の怒りは自分が惹起したものではない、自分のせいではないのだと考えることができれば、感情的にワンクッションがはさまれ、ネガティブな感情を抑える効果があります。

やってはいけないこと

次に、ついやりがちですが実はまずい対応です。

相手を変えようとしない【上司に分かってもらうことはできない】

「話せばわかるはず」とか、「こちらの理を理解してくれれば変わってくれる」とか、期待してしまいがち。

「どうしてわかってくれないんだろう」という気持ちも同根です。

これは相手の理性を信じるというあなたの態度の発露であって、それ自体は素晴らしいことです。

でも、理不尽なボス弁には通用しません。

パワハラ気質の上司には自己愛傾向の人が多く(参考)、特に次の傾向がある人物には要注意。

  • 根性論:指導のまずさや環境要因を棚に上げて、すべての不満を努力不足で説明する。「お前のために怒ってる」「悔しかったら努力しろ」が口癖
  • 自己中心的:他人の価値観や考え方を受け入れられない。
  • 他責思考:なんでも他人のせいにする。部下がうつになったのは能力不足のせいだと正当化する。

このような方に自身の考えに反する事実を伝えても、頭に入らないか、曲解されるだけです。

アキ先生
アキ先生

どう伝えればわかってくれるだろう

と努力しても、徒労に終わってしまうだけ。相手を変えることはできません。

相手の心情を想像しない【相手の味方ではなく、自分の味方になる】

協調性の高い方は、相手の気持ちを想像しすぎてしまい「過剰適応」に陥ることがあります。

過剰適応とは、自己犠牲によって相手に合わせてしまう状態のこと。

社会生活で、自分の意図や欲求を抑え、他者の意向に合わせて過度に適応した状態をいう。まじめ、几帳面、強い責任感、人から頼まれると嫌とはいえない、献身などを特徴とする。そのため心身の障害を引き起こしやすい

出典:臨床心理学辞典

心身症につながりやすい(病前性格)とされています。(参考

この特性は、健全な環境下では「期待に添おうとする努力」として価値を発揮します。

しかし理不尽な上司のもとで過剰適応すると、ボスの悪性には目をつぶり、内心のつらさや不満を押し殺してボスの過大な要求に応えようと頑張ったり、私生活を犠牲にすることで対応しようとします。表面的にはうまく対応できている状態を少しの間は保てても、「自分に無理を強いる絶望的な努力」となってメンタルを病みます。

過剰適用している本人は気づかず、

  • いつもリラックスできない
  • 疲れがとれない
  • 理由は分からないが毎日辛い

という感覚を抱きます。

過剰適応になると、自分の気持ちに鈍感になります。思い当たるときは、

自分の気持ちは、今どんな状態か?本当は嫌だと感じていないか?

を、自問自答してみてください。

どうしても無理なら

起案、打ち合わせ、期日、持ち帰ってまた起案…

書面を見せると怒られ、クライアントとのメールでも怒られ…

忙しい日々の中で、ボスにどうしたら怒られなくなるのか、コミュニケーションの本を読んだり。

理不尽な上司のもと、あなたはよく頑張ってきました。

でも、あなたの人生がもったいなくはありませんか?

弁護士として研鑽するには、弁護業務に集中するべきです。あなたが理不尽なボスに時間を奪われている間に、同期は勉強や経験を積み上げています。

そこまで耐えたなら、もう環境を変えるべきではないでしょうか?

心を病んでしまうと、元の状態に戻るには非常に長い時間を要します。これ以上、今の状態であなたをすり減らすべきではありません。

それよりも、あなたの能力を活かせるもっと良い環境があるはずです。

一緒に働く人が違うだけで、全然働きやすさは変わります。私自身、職場を変えるだけで嘘のように日々が楽しくなりました。

今の上司のもとで幸せに働ける日々がイメージできないのなら、新しい働き方を検討してみてください。

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