【2025年版】事務員ゼロでも回る!弁護士業務を支えるデジタルツール11選

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独立開業

独立後の弁護士にとって、「事務員を雇うかどうか」は大きなテーマ。

人を雇えば責任もコストも重くなりますし、特にスタートアップ期は慎重にならざるを得ません。

そこで今回は、事務員ゼロでも業務を円滑に回すためのデジタルツールをご紹介します。筆者自身が実際に使っている、または検討中のものばかりです!

📠 FAXの完全デジタル化(eFax)

物理的なFAX機は、導入コストもや維持費も高く、弁護士の業務を事務所という物理空間に縛り付ける要因になります。

コピー機能については複合機も活躍しますが、FAXについてはメリットが少ないのが正直なところ。
真っ先にデジタル化すべきポイントです。

私が長年使っているのはeFaxというサービス。

FAXを完全にオンライン化し、受信FAXは登録した電子メールアドレスに添付ファイルの形で届きます。ウェブサイトからも次の画面のようにアクセス可能。

eFAXの主な機能とメリット

eFaxの基本機能

✔ FAX機が不要に!

  • 複合機のリース代や用紙代を節約
  • 紙の補充や受信したFAXのスキャン作業がゼロに
  • 届いた書類はDropboxの事件フォルダに保存すれば、完全デジタル管理できる

FAX用紙がなくなるだけで事務所から紙が激減します。法テラスや研修関係の連絡文書などもデジタルに移行します。

書面送信も印刷ナシで完結する小技

職印の陰影をスキャンしてPDFソフトにスタンプ登録しておけば、書類作成 → PDF変換 → 電子押印 → そのままeFaxで送信!
完全に“紙ゼロ”のFAX送信が可能になります。

✔ 電話回線なしで市外局番付きFAX番号を取得

  • 東京03、大阪06など主要な市外局番を選択可能(住所に応じた番号から選べます)
  • 申込時に10個前後の選択肢が提示されます
アキ先生
アキ先生

見た目は普通のFAX番号で、相手方からも違和感なし!

✔ メールでの送受信に柔軟に対応

  • 受信先メールアドレスは最大5つまで設定できます
  • 代行業者のメールを登録して、重要FAXのみ転送などの活用もOK
若手弁護士
若手弁護士

FAX広告から解放されますにゃ

料金プラン

  • 月額1,650円(税込)〜
  • 送受信それぞれ150枚まで無料(超過分は別途料金)

FAXのデジタル化は、業務効率化とノマドワークの実現に直結します。個人的には、全弁護士にeFax導入をおすすめしたいレベル

アキ先生
アキ先生

本気でノマド化したいなら、まずはここからです

📞 電話・メール対応(fondesk、CASTER BIZ)

事務員がいない弁護士にとって、電話対応は大きな時間泥棒
業務の手を止めて電話に出るか、留守電をあとでチェックするか…いずれにせよ手間がかかります。

若手弁護士
若手弁護士

電話出てると、起案途中だったのに頭が振り出しに戻っちゃうんだにゃ…

筆者の周囲では、以下のような対応を取っている人が多いです。

  • 電話には出ず、留守電にメッセージを残してもらい、必要に応じて折り返す
  • 電話代行サービスを利用し、通話内容をテキストで受け取る

私自身は後者の方法を採用しています。
理由はシンプルで、留守電を聞くよりも圧倒的に時短になるから。

✔ メールで通話内容が届く安心感

代行業者を使うと、通話先の氏名・電話番号・用件が30分以内にメールで届きます
メールを見るだけで、対応の要否がすぐに判断可能。
折り返しが必要な場合だけ、こちらから電話します。

✔ 人間の対応による安心感

また、事務員らしい丁寧な対応をしてもらえるため、クライアントにとっても安心感があるようで留守電よりも圧倒的に好評です。

業者を用いる場合、法律事務所の導入実績がある「fondesk」や「Caster Biz」が有名どころです。

Fondesk|コスパ重視派におすすめ

弁護士法人の導入実績も豊富なfondeskは、月1万円から利用できるシンプルな電話取次サービス。

特徴は「一律対応」。
「○○は現在不在にしております。伝言を承ります」といった定型の応答により、価格を抑えながら人間対応の安心感を実現しています。

  • 契約期間:1カ月単位
  • 即日利用OK
  • 14日間無料トライアルあり
若手弁護士
若手弁護士

代行って高そうなイメージあったけど、1万円から使えるならアリかも

fondesk(フォンデスク)

Caster Biz|多機能サポートを求める方に

CASTER BIZは月額約12万円からとやや高額ですが、柔軟かつ幅広い業務対応が可能なオンラインアシスタントサービスです。

電話対応はもちろん、以下のような業務も依頼できます。

  • 書類のリサーチ
  • 定型文書の作成補助
  • スケジュール調整や経理補助 など

月30時間まで稼働できるため、案件が増えてきて業務を切り出せるようになったフェーズにおすすめです。

⚠ 外注トラップに注意!非弁行為を避けるポイント

電話対応や事務補助で外注を活用する際は、「非弁」に該当しない範囲をしっかり理解しておく必要があります。

以下のような行為は要注意です:

  • 法律事務の取扱禁止(弁護士法72条)
  • 非弁提携や報酬分配の禁止(弁護士職務基本規程11条、12条)

こうした規定に抵触する業務は、委託しないよう注意しましょう。

アキ先生
アキ先生

「履行補助者としての事務員の使用」に関する考え方が参考になります

以下の場合は事務員の使用が非弁行為に該当しないとされています。

事務職員(履行補助者)の行為において,法律事務に関する判断の核心部分が法律専門家である弁護士自身によってなされており,かつ,事務職員の行為が弁護士の判断によって実質的に支配されている場合に限られる

――東弁リブラ「弁護士業務に関するアウトソーシングの限界と注意点
  ――日弁連「解説 債務整理事件処理の規律を定める規程」19~20頁

つまり、実質的な事情聴取や、受任判断事件処理方針の立案といった「法律事務に関する判断の核心部分」は、必ず弁護士自身が行う必要があります。

若ネコ弁護士
若ネコ弁護士

委託していいラインって、“法律の核心”かどうかで見ればいいんだね

若ネコ弁護士
若ネコ弁護士

そうすると…ヒアリングまでやってもらうのってアウトかにゃ

アキ先生
アキ先生

迷ったときは、以下のポイントを守ると安心です

  • 定型的・一律な事務(電話対応、FAX転送、面談日時の調整)に限定して委託する
  • 弁護士事務所からの委託実績がある業者を利用する

fondesk、CASTER BIZは弁護士法人からの委託実績があり、ウェブサイトで公表しています。

📞 IP電話の導入(ナイセンクラウド)

さらなるノマド化を目指すなら、次のステップはIP電話の導入です。

そもそも「IP電話」って?

IP電話とは、インターネット回線を使って通話する電話サービスのこと。
従来の電話回線を使わないため、基本料金や通話料が割安になるのが魅力です。

以前は「050」番号しか取れなかったため、ビジネス用途にはやや抵抗感がありましたが、
近年では「03」「06」などの通常の市外局番も取得可能なサービスが増えています。

若ネコ弁護士
若ネコ弁護士

そういえば法テラスの電話も050ですにゃ

アキ先生
アキ先生

おそらくIP電話を使っているんでしょうね

ナイセンクラウド|コスパ最高のIP電話サービス

ナイセンクラウドは、弁護士業務にも相性抜群なクラウド型のIP電話サービスです。
スマホ・PC・事務所のビジネスフォンなど複数端末で同じ番号を使えるのが最大の強み。

全国の市外局番や0120番号が使えて、オプションで特定番号の着信拒否や自動録音も利用可能。スマホ・パソコン・事務所のビジネスホンなど複数の電話から同じ番号で受発信できます。

✔ ナイセンクラウドの主な機能

  • 全国の市外局番や0120番号が取得可能
  • 特定番号の着信拒否や通話自動録音などのオプション機能
  • スマホやPCからでも、事務所番号で発着信OK
  • 複数人・複数拠点でも番号を共有できる

つまり、「どこでも固定電話」が実現できるんです。

以下のツールと組み合わせれば……

  • ✉️ eFax:FAXの完全オンライン化
  • 📁 Dropbox:事件ファイルのクラウド管理
  • ☎️ ナイセンクラウド:電話のクラウド化

もはや、事務所に物理的にいる必要がほとんどなくなります

アキ先生
アキ先生

ここまで揃えば、もう立派なノマド弁護士ですね!

📂 クラウドで事件管理(Dropbox)

事件フォルダをクラウド化すれば、自宅・裁判所・出先のカフェでも()、いつでもどこでも業務資料にアクセスできるようになります。

特にこだわりがなければ、選択肢はDropbox一択。

弁護士業務と相性が良く、私自身もメインで使っています。

 秘密漏えいにはくれぐれもご注意を。公共の場で作業する場合は覗き見防止フィルムが必須です。

Dropboxとは?

Dropboxは、パソコン内のフォルダをそのままオンラインで管理できるクラウドストレージサービス

フォルダを指定するだけで、
自動的にクラウドと同期され、他のPCやスマホからも常に最新状態でアクセス可能になります。

使い方は次のチュートリアルをご覧ください。

✔ 弁護士業務での活用ポイント

  • 紙の事件フォルダを丸ごとデジタル化
  • 出先でも書類を確認・編集できる
  • eFAXなどの他ツールと組み合わせて完全デジタルワークが可能に

こんなに変わる!eFAXとDropbox連携

Dropboxの威力は、業務上のデータを完全デジタル化した場合に最大化します。

従来の法律事務所では、
FAXで届いた相手方準備書面を印刷 → パンチ穴開け → 紙フォルダに綴じる…という作業が必要でした。

でも、eFAX+Dropboxの組み合わせがあれば

  1. メールに添付されたPDFを受信
  2. スマホやPCからそのままDropboxの案件フォルダに保存
  3. 起案時もすぐに閲覧でき、厚い紙のファイルを持ち歩く必要なし!

時間と場所に縛られず書類を閲覧できます。移動中や調停室の空き時間が、起案時間に変わるのです!

若ネコ弁護士
若ネコ弁護士

二穴パンチ…もう何年触ってないかにゃ

Dropboxには無料プランもありますが、
業務用として使うには容量・セキュリティともに有料版がおすすめです。

  • ファイル暗号化・履歴保存など、情報漏洩対策も◎
  • 後述の「やよい」や「freee」と合わせて、データ管理のハブとしても活用できます

🚶‍♂️ 外回りを減らすオンライン活用

郵便局、法務局、裁判所への書類提出などは自分でやるしかありません。オンラインで代替できるサービスはできるだけ利用して、外回りの時間を減らしましょう。

この項で紹介するサービスは弁護士の常識レベルですが、簡単に触れておきます。

登記情報提供サービス

登記(不動産、商業、動産・債権譲渡登記)の内容をオンラインで確認できます。一件334円。

発行されるのは登記情報であって登記事項証明書ではないため登記としての証明力はありませんが、それでも利用機会は多いです。

登記情報提供サービス
登記情報提供サービスは,登記所が保有する登記情報をインターネットを通じてパソコン等の画面上で確認できる有料サービスです。

登記事項証明書オンライン申請

不動産の登記事項証明書、公図、図面証明書の取得申請を行えます。郵送受取を選択できるため法務局へ行かずに済みます。

受付時間は平日の8時30分から21時まで。不動産登記事項証明書を郵送受取で申請すると、1通500円。

法務省:オンラインによる登記事項証明書等の交付請求(不動産登記関係)について
法務省のホームページです。

登記簿図書館

民間企業なので知らない人も多い登記簿図書館は、財産調査に使えます。所有者氏名から登記簿情報を検索できる、いわゆる「名寄せ」機能があるのが特徴。1件333円で登記情報提供サービスから情報を取得してくれます。

http://登記簿図書館.com/cpu/column/theme04/

電子内容証明

内容証明をパソコンから送信できます。おおむね1000文字以上の場合はe内容証明の方が安くなります。ワードファイルで提出。書式要件は窓口の差し出しの場合と異なり、大幅に緩和されています。

e内容証明(電子内容証明) - 日本郵便
e内容証明(電子内容証明)では、内容証明郵便を電子化し、インターネットを通じて24時間受付を行います。

💰 経理・帳簿ツール(やよい・freee)

円滑な青色申告のためにも、業務開始前に帳簿の管理システムを導入しましょう。

若手弁護士
若手弁護士

青色申告にした方がいいにゃ…?

アキ先生
アキ先生

もちろん!

青色申告のメリットは所得税、住民税、国民健康保険料が安くなること。所得額から最大65万円を控除できます。

やよいの青色申告オンライン

どれか1つ選ぶなら、やよいの青色申告オンラインをお勧めします。初年度は無料で使えます。(次年度は年間8800年、白色申告であれば永年無料。)

後述のfreeeには機能面で劣る点がありますが、1年目はとりあえず無料のやよいを導入しておき、1年かけてご自分に必要な機能を見極めれば良いかと。

もう一社比較するならfreeeです。

freee

freeeは年間11760円で、クレカや銀行口座との連携が簡単にできます。

30日間無料で使えます。

💡 その他のノマド化ヒント

ノマド弁護士を目指すなら、日々のちょっとした工夫も積み重ねが大切です。
以下は筆者が実践している、小さな工夫たち。どれもシンプルですが、確実に効きます。

✔ よく使うものは「多めにストック」しておく

  • レターパック
  • 切手
  • 小為替
  • 破産申立用の封筒 など

事務員がいない場合、文具や消耗品の手配に時間を取られると地味に痛いもの。
よく使うものは、在庫切れにならないよう余裕をもって準備しておくと安心です。

✔ 打ち合わせは「事前準備」で効率化

  • 初回相談で聞き取るべき事項をまとめたヒアリングシートを作っておく
  • 事前に相談者に記入してもらい、返信してもらう形にする

これだけで面談時間をギュッと圧縮できます。
加えて、打ち合わせ前に依頼者に記入を依頼することで、レスポンスの早さ・内容から人柄も垣間見ることができるので、受任の判断材料になります。

✔ よく使う書類は「フォーマット化&蓄積」

  • 定型書面(受任通知・委任契約書・各事件類型の訴状など)は、少しずつテンプレート化
  • フォルダでジャンル別に整理しておくと、次回から時短に 
アキ先生
アキ先生

こうしたフォーマット化は、外部アシスタントへの委託にもぴったりですよ

まとめ|事務員なしでも、弁護士として輝くために

独立後、「事務員を雇うかどうか」で悩む弁護士は少なくありません。
人を雇うということは、その人の生活も背負うということ。
コスト面の負担も含めて、決して軽い決断ではないはずです。

でも、今の時代、テクノロジーの力を借りれば、「事務員ゼロ」でも十分やっていける選択肢が整ってきました。
今回ご紹介したツールやノウハウも、ほとんどが「自分で試してみて、本当に使える」と感じたものばかりです。

もちろん、人を雇う働き方もすばらしい。
けれど、「ひとりで、でもちゃんと回る」仕組みをつくることも、
これからの弁護士の働き方として、もっと広まっていってもいいと思っています。

「ノマド弁護士」と言うと少し大げさかもしれませんが、
場所や時間に縛られず、自分の力で自由に働く
そんな理想のスタイルに、今のあなたも確実に近づけます。

あなたの働き方に、ひとつでもヒントになれば幸いです。

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